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エンデの遺言

ネバーエンディングストーリーやモモで知られる作家ミヒャエルエンデ。
彼が最後に残したメッセージについてまとめたのが本書、
「エンデの遺言」
である。
サブタイトルは
「根源からお金を問うこと」

なんとも言いようの無いタイトルだが、内容は大変衝撃的だ。

かってお金は金属貨幣であり、地金と等価の価値があった。
しかし、現在のお金は各国の中央銀行が発行する紙幣というお金で、
これは実は、何の担保もない紙切れである。
この紙幣があらゆる物と交換可能な「お金」として通用しているのは、
国民が価値を信じているからにすぎない。

お金は銀行が必要な時につくり出すことができる。(信用創造)
つくり出したお金は貸し出すことが出来る。
貸し出したお金は利子を伴って銀行へ帰ってくる。
本来何の価値もない「紙」を貸し付けて利子が増えていく。
その価値はどこから来ているのか?

それは未来の資源や労働を前借りしてる価値なのだという。

本来何の価値もない「紙」を貸し付けて利子が増えていく
ということは
未来の労働と資源の消費が増えていく
ということなのだ。

当たり前に受け入れていて疑いもしないお金というものの正体は
まさしく時間泥棒の違ったカタチなのであった。

本書は想像を絶する、恐ろしい内容の本だ。
by kerohiko | 2009-08-05 16:05 | 本棚


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